硫黄島(いおうとう)について。

 

2009年7月22日午前。今世紀最大の皆既日食が発生します。日本でも見ることができ、鹿児島や、小笠原方面の海上で観測することができます。

この写真は、トルコで、2006年3月に観測した皆既日食映像です。

硫黄島は、日食が観測できる場所で、最も晴天率が高い陸地です。いいかえれば、観測する場所として、最高の場所の一つです。ちなみに、トカラ列島方面は台風リスクが高く、天候が不安があります。調査の候補にはあがりましたが、観光地であることや輸送、寝泊まりに限界があるため、除外されました。

防衛省に許可をいただき、観測予定地の調査を硫黄島で行いました。硫黄島は、東京から1250km離れた絶海の孤島です。防衛省が管理しており、一般住民は帰宅困難地ということで、住んでいません。このため、十分な調査と物資の輸送や滞在計画を立てる必要があります。

硫黄島へは、航空自衛隊の輸送機C-1で向かいました。輸送機の座席は、機体壁に取り付けられた簡便なもので、ミリタリーもの映画にある感じそのものです。C-1は、旅客機とは比べものにならないほどうるさいです。従って、搭乗の際には、耳栓が必要となります。

飛行時間は、約2時間30分です。より本土に近い、父島へは、船のみであるため、25時間かかり、苦労した経験があります。それに比べれば、より遠い、硫黄島へ、この時間で到着できるのは、普段慣れ親しんでいる航空機の強みを肌で感じました。

硫黄島には、海上自衛隊硫黄島基地が設置されており、陸海空併せて約350名が勤務しているとのことです。島では、多いところで、毎年10cm以上隆起するとのことです。また、硫黄が各所に析出したり、蒸気口あるなど、硫黄島が生きている島であることを実感できます。この隆起により、道に段差ができたり、海岸線が変化するなど、その維持には並々ならぬ労力がかかることが伺えます(海上自衛隊発行の硫黄島案内より)。そして、絶海の孤島の名に恥じることなく、携帯電話は使えません。もちろん、コンビニはありませんが、その代わりかどうかはわかりませんが、自動販売機(飲み物やたばこ)が設置されており、また、売店が、週の2日間営業します。

さて、硫黄島の地形はどのようになっているかといいますと、島で最も高いところは、「すりばちやま」で、約130mの標高があります。島の南西にあり、山頂からは島全体を見渡すことができます。

 

すり鉢やまから沈船がみえる。写真の左手上の島は「監獄岩」である。

 

まわりには、北側に北硫黄島、南に、南硫黄島を望むことができますが、全く何もありません。山頂には、多数のモニュメントが設置されています。島としての見学してみると、太平洋戦線における激戦地だったこともあり、未だに多数の英霊、塹壕、そして、遺棄された兵器などが多数のこっています。

B29neko

撃墜されたB29のプロペラと、猫